最近SNSを見ていると釣り竿が折れたと言うような投稿が続いていて、私も長い釣人生の中で何本も釣り竿を折ってしまって辛い思いをした経験から、釣り竿を折ってしまう人が少しでも減ればと思い、ここで釣り竿が折れる原因と注意点などをまとめておこうと思う。
目次
釣り竿が折れる原因は傷がほとんど
まず、釣り竿が折れる理由を書いておくとロッドが折れる原因は微細な傷が入ることで、力が入った時に傷ついた部分から折れてしまう。
よく堤防などでロッドを立て掛けたりする事があるだろうがコンクリートや岩などにロッドのブランクスが接触するとカーボンに微細な傷が入ってしまうことがある。ロッドのコーティングが厚ければちょっとやそっとじゃ傷は入らないが最近のかっこいいロッドはコーティングが非常に薄かったり、無塗装だったりして軽量化に全振りしているものもある。
何もしていないのにロッドが折れたと釣具屋店員だった時、よくクレーム修理の依頼が来ていたがメーカーに調査依頼を出すと顕微鏡で調べて初期不良ではなく、傷が入っていた部分から折れていると突っ返される場合がほとんどであった。カーボンロッドはとても繊細なので置く時はとにかくブランクスに傷がつかないように注意して欲しい。
折れやすい竿、折れにくい竿
釣り竿でも折れやすい釣り竿と折れにくい釣り竿がある。折れやすい釣り竿を使う時は特に注意をしてほしいのでここで紹介しておこう。
折れやすい竿(ロッド)
硬いロッド
ロッドは硬ければ硬いほど折れやすい。柔らかさは粘りにつながるが硬いロッドには粘りがほとんど無いため折れやすい。言ってみればガラスはとても硬いが衝撃に弱くすごく割れやすい。しかし、ゴムのように柔らかければ非常に衝撃に強い。
なので硬いロッドは特に丁寧に扱ってやらないとすぐに折れてしまうだろう。例を挙げるとバスロッドでいうとジグ用のヘビー以上の番手はかなり折れやすい。
軽いロッド
正直軽いロッドは本当に折れやすい。軽いということは強度を犠牲にしている可能性が高く、簡単に折れるのは軽くて弾性が高いロッド。
例を挙げるとエギングロッドがまさにこの軽いカーボンロッドというジャンルでしゃくりやすいということから軽さとハリを求められているためどうしても折れやすいジャンルに入ってしまう。
他にもバス用のスピニングロッドやチニング用のロッドなどにも軽さを追求したロッドがあり、こういうロッドは非常に繊細で折れやすいと思っていたほうがいいだろう。とにかく扱いには気をつけて欲しい。
折れにくい竿(ロッド)
ソリッドのロッド
穂先がソリッドのロッドがあるがこういう穂先は非常に折れにくい。ブランクスは中身が中空なのでハリがあるがソリッドは中身が詰まっているのでしなやかになっている。しなやかであればあるほどそう簡単には折れない。
グラスのロッド
カーボンよりも粘りがあり、曲がりやすいグラスロッドは重いという欠点があるものの折れにくい。
塗装がしっかりしたロッド
ブランクスがしっかり塗装されて傷に強いロッドは折れにくい。多少ぶつけても塗装がガードしてくれるのでブランクスに傷が入るのを防いでくれる。
重いと感じるロッド
軽ければ軽いほど折れやすい。これはカーボンの性質がそうだからなのだが自転車のフレームでもカーボンはとても軽くて高級ロードレーサーにはかなり採用が多い。ただ、カーボンでクロモリのフレームと同じぐらいの強度のボディーを作ろうと思うとクロモリと同じぐらい重くせざるを得ないと書かれていた。そのためカーボンボディーのロードレーサーで落車するとフレームにヒビが入ったりして数十万円がパーになったりすることがある。
軽さは脆さにつながると思っておいたほうが良い。トーナメントで優勝争いをしたいとかでない限り軽すぎるロッドは避けたほうが無難だろう。
ロッドが折れる原因
初期不良
釣り竿は繊細な道具で、作る時や運送途中で傷がついたりすると最初から折れかけているものや素材に問題があり、強い力がかかって折れてしまうものもある。
私は釣具屋の店員だった時、検品をしていたのだが中国から入ってきたロッドが10本中8本穂先が折れていたことがあった。安い釣り竿は購入時に特に注意したほうがいいだろう。
また、釣具屋の同僚が新製品のエギングロッドが入ってきて喜んで、早速検品がてら振ってみようと試しぶりした瞬間バッキリ折れてしまった事がある。もちろん初期不良としてクレーム交換に出したのは言うまでもない。
そんなわけで釣り竿はメーカーのチェックでも見逃されているような初期不良がしばしばあると考えておいたほうがいいだろう。ロッドを買ったら釣りに行く前に試しに振ってみるとかラインを通してある程度曲がるかどうかを見ておくと釣り場でいきなり折れて釣りができないということを避けることが出来るだろう。
不注意
正直私が一番ロッドを折った回数が多いのが不注意。どんな不注意だったかを挙げると、
- 車のパワーウインドウに挟んで折る
- ドアを締めた時に挟んで折る
- 地面においてて友達が踏んで折る
- 竿の硬さを調べようと穂先を引っ張ってみて折れる
- 自転車での移動中に車輪に挟まって折れる
などである。
釣り竿は非常に繊細で折れやすい道具なので本当に扱いに注意が必要だと言える。釣り竿を置く場所は絶対に動かない場所に置くこと、特に穂先は折れやすいので無茶苦茶注意して扱う必要があるといえる。
また、穂先にラインが絡まった状態や仕掛けが絡まった状態で投げたり合わせたりすると穂先が折れてしまう原因になる。これも注意をしていれば防げるので気をつけたい。
根がかりを無理やり引っ張る
根がかりした時に無理やり引っ張って竿にかなり負担がかかることがある。魚とのやり取りではそこまで負担はかからないが根がかりの場合、必要以上にロッドに負担をかけてしまうことが多い。
釣り船の船長に大物釣って竿折れる人いっぱいいるんですか?って聞いたことがあるが魚掛けて竿を折る人はほとんどいないけど根がかりして無理やり引っ張って釣り竿を折る人はかなり多いとのことだった。確かにどんな大物でも地球以上に重い魚はいないからそうなるだろう…。
根がかりした時は無理やり竿を使ってはずそうとするのではなく、出来る限り竿に負担がかからない様に外そう。
キャスト時に負荷がかかりすぎる
ロッドには扱える重りの適合が書かれている。4〜10グラムまでみたいな感じであるがそれ以上の重さの仕掛け・ルアーを扱う時に負荷がかかりすぎて折れてしまうことがある。
出来れば適合以上の仕掛けを使うのはおすすめしないが、どうしても適合重量以上の仕掛けを投げたい時はロッドに負荷がかからないようにゆっくりとためて投げる工夫が必要だ。
また、適合内のルアーを使っていても投げ方が下手だとキャストに負荷がかかりすぎて折れる事がある。重いルアーを負荷のかかる投げ方で投げたりしないで負荷のかかりにくい投げ方をすることをおすすめする。
ロッドが折れた場合どうするか?
ロッドが折れた場合、保証期間内なら修理に出すことになる。免責金額を払えば修理できるが正直免責金額は安くないので折らないことが一番だ。
あと、穂先の場合、釣具店で修理して貰える場合があるので相談してみるのもおすすめ。パーツが合えば10分程度で直ったりする。
自分で修理して応急処置する事もできるので紹介しておく
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ロッドを自分で修理する方法
釣りをしているとどうしても起こるトラブルの一つがロッドの破損。ロッドというものは非常に脆いものでちょっとしたことですぐに折れてしまうことがある。 基本的にロッドは折れたらメーカーに修理を依頼することに ...
他、それなりに費用はかかるが思い入れのあるロッドならロッド修理専門店で直してもらうことも出来る。