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ブラックバス

外来魚が外来魚を駆逐する

投稿日:2018/05/07 更新日:

今、多摩川でブラックバスと言えばスモールマウスバスという魚になっている。

スモールマウスバスとは?

スモールマウスバスイメージ
ブラックバスと呼ばれる魚の一種で口が小さく、コクチバスとも呼ばれている魚。日本では野尻湖などで釣れることが知られている。ラージマウスバスと同じく肉食で50センチ以上に成長する魚である。
以前は野尻湖などごく一部の水域でのみの生息だったものの近年誰かが密放流したのか各地で釣られている。ちなみに釣り業界ではこの事実はタブーなのかどのメディアでも野尻湖近辺の水域以外のスモールマウスバスが存在している事実をひた隠しにしている。

かれこれ私は多摩川のブラックバスを見てきてすでに10数年経っているのだが私が10数年前大学生だった頃、多摩川でブラックバスを釣っていてスモールマウスバスが釣れたことはなかった。

その頃は丸子橋の少し上流付近でラージマウスバスが釣れるとブラックバス専門誌が取り上げたりしていてそれを参考に私は多摩川近辺のブラックバスを狙っていた。

実際、数は少なかったが多摩川にはラージマウスバスが生息していて大型サイズもちらほら見られた。

私が大学2年生だったころ、狛江近辺にラージマウスバスが大量に流されてきたのか普通に釣れるようになり、友人と足繁く通い、30〜40センチクラスがそれなりに釣れたのを記憶している。

2008年ぐらいからスモールマウスバスの数がラージマウスバスを逆転してきた

なんやかんやで2007年から狛江に住み始め、また多摩川のブラックバスを釣り始めたのであるが2007年ぐらいから、子バスの中にスモールマウスバスの姿を見るようになる。15センチぐらいの子バスの群れなのだが、ラージマウスバスの子バスもいて、2007年時点ではまだラージの方が多かった。

それが2008年完全にラージの子バスの数よりもスモールマウスバスの子バスの数が逆転してきた。

2011年ぐらいになるとラージマウスの姿をぱったり見ることが無くなり、釣果情報を色々なところでチェックしてもラージマウスはほとんど見ないレベルまでスモールマウスバスが増殖した。

実際私も2010年の秋にラージを釣って以来その後一度もラージマウスバスを釣っていない。
スモールゲット画像

ラージマウスバスよりもスモールマウスバスの方が流れに強い

以前ブラックバス専門誌で特集されていたのだが北米の流れの強い急流河川でブラックバスと言えばスモールマウスバスというほどスモールマウスバスは河川という環境への適応能力が強い。

日本の河川は大雨のたびに流れが急流となり、ラージマウスバスよりもスモールマウスバスの方がこの環境に適応していると見られる。

おそらく、スモールマウスバスの方が日本の河川では優占種となり、ラージマウスバスはスモールマウスバスによって駆逐されてしまったと思われる。

日本の河川はスモールマウスバスのパラダイスへ変わる

日本各地にブラックバスのいる河川がある。東では荒川、多摩川、小貝川、利根川などがあり、すでに荒川、多摩川、小貝川には大量のスモールマウスが生息している。

中部には五三川、大江川などのバスリバー、近畿には淀川、加古川、紀の川など、四国には吉野川、九州には遠賀川とメジャーなところでもこれだけある。

流れの緩やかな淀川などはラージマウスバスでもそれほど影響を受けておらず60センチオーバーが多く上がってるのでそう簡単には駆逐されないかもしれないが基本スモールマウスバスの方が流れに強いので流れの強い場所ではラージマウスバスが消える可能性が高い。

すでに近畿でも琵琶湖でスモールマウスバスが確認されており、広まるのは時間の問題だと思っている。

10年後、日本の河川はスモールマウスバスの楽園になってしまっているのではないだろうか?

密放流、ダメゼッタイ!

魚は自分で流域を超えて移動することは出来ず、今スモールマウスバスが生息している地域が拡大している理由は間違いなく人間による放流である。

ただでさえ、ラージマウスバスが極悪外来魚としてメディアに取り上げられ池の水全部抜くとかいう番組で目の敵にされて駆逐されまくっている現在、世論はブラックバスに対してとても厳しいものになっている。

それが更に釣り人の身勝手な密放流によってこれまでブラックバスが定着しづらかった流れのある河川でまで定着してしまった場合、更にブラックバスに対する見方が厳しいものになるだろう。

多摩川などは漁協が存在していて投網や囲い込みなどで大量のスモールバスが駆除されている。それでも今年の釣果情報を見る限り減っている様子はない。更に成長して50センチクラスがかなり上がっているところを見ると完全に多摩川に適応していると見るほかない。

池や小規模な湖は水を抜いたり、ダミーの産卵床をおいて駆逐するなどの方法でブラックバスの壊滅に至った場所があるが河川は流域が長く完全に駆逐するのはかなり難しいと考えられる。

外来種が外来種を駆逐するのまとめ

オオクチバスと呼ばれその大きな口で何もかも食い尽くすと言われていた極悪外来魚ラージマスバスがコクチバスと呼ばれる別の外来種に駆逐されていくとは皮肉なものであるがこれもまた自然の摂理なのだろう。

ちなみに、霞ヶ浦には昔たくさんいたブルーギルは新たに現れた外来種キャットフィッシュに駆逐され、今はその数が激減していると言われている。

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