「好きなことで生きていく」というキャッチフレーズでYouTubeを使って生活をするユーチューバーという仕事を紹介したGoogleのCMが放映されていた。
釣りが好きな人は釣りで生きていきたいと思うかもしれないので、釣りで生きることを目指して色々やったり情報を集めてきた私が釣りで生きる方法を少し紹介してみる。
目次
釣具屋の店員としての生き方
私は短い期間であったものの釣具店の正社員として仕事をした経験を持つのでこの生き方については実際に体験している。
感想から言うと生まれ変わってもまたこの仕事をしたいと思えるほど素晴らしい職場だった。
なぜ辞めてしまったか?というと他にしたいことがあったからという理由以外はない。
釣具屋店員になる方法
釣具屋店員になる方法は通常の就活と同じでマイナビやリクナビなどでエントリーする方法もある。
私の場合そういったリクルートサイトを使わず直接入りたい釣具屋の本社へ電話を入れて採用担当者に採用のスケジュールを聞き面接を受けに行った。
大きな釣具チェーンとか積極採用をしているところ以外はあまり就職サイトを利用しないのでマイナビやリクナビに無い場合は本社へ直接電話すると良いだろう。募集していなくても頑張れば採用してくれる可能性もある。
あとはアルバイトから正社員へなる方法もある。
釣具屋店員の仕事の厳しさ
一番厳しいと思ったのは万引き対策。釣具屋の利益率などものすごく低いものなので万引きされると店の経営が一気に悪化する。ということで万引きが行われていないかひたすら客を疑いマークし続ける仕事をさせられたのが辛かった。仕事なのでしょうがないがお客さんも嫌だし俺も疑いたくない。万引きのおかげでみんなが嫌な思いをする。
他にも初期の頃はいろいろ不手際をやらかしてお客さんからすごい怒られるし、店長からめちゃくちゃ怒られるけど、最初はみんな経験無いんだからそうなるもんだと思う。経験を積めば段々上手く接客できるようになると思う。
釣具屋店員の面白さ
仕事をしていて楽しかったのは自分のすすめた商品を使ったお客さんが「あの竿良かったよー」とか「あのリールにしたら死ぬほど飛距離上がった!」とか言ってくれること。すすめがいがある。
他には新しいルアーとかリールとかが一番最初に触れる事も楽しかった。本来はお客様第一主義だったがこっそり自分用にキープしたりしたこともw
あとは職場の同僚が全員釣り好きなので話が合いまくること。あまり仲良くない人でも釣りの話さえすれば打ち解けられるので通常の会社に比べて職場の雰囲気はいい感じであるのは間違いない。
釣具店店員として好きなことで生きていくまとめ
釣具店店員は釣り好きにはかなり楽しい職業であることは間違いない。売価変更の際は値札のシールを一日中付け直すとか荷受の際にものすごい数の商品を検品したりとかめちゃくちゃ地味な作業もたくさんあるしチヌのエサはすごい匂いを発するしめちゃくちゃ重いし、セール準備連発で大変だったりするけど楽しい仕事であることは間違いない。
デメリットは店員でいる限りは給料は安いこと。役職が付けば本部社員となったりして昇給するが現場を離れない人も多い。
トーナメンターとしての生き方
釣りのトーナメントで生活できるレベルの人がどれだけいるか?と言われると日本ではほぼゼロというのが現状。
昔バス釣りブームというのがあってテレビのゴールデン番組で河口湖で釣りをするとかが放映されていたり、昼間の情報番組にミラクルジムこと村田基氏がキャスティングを披露したりしていた時代があった。
そんな時にバスプロの実情を書いた「下野正希のバス釣りでメシを喰う方法」という本を読んだのだがバスバブルの時代ですらトーナメントのトッププロで年間トーナメントの賞金額が数百万円というレベルだった。
その中からボートの輸送費やマリーナ代、ガソリン代という経費が引かれるのでもはや賞金で生活など不可能。
それから20年が経ちバスバブルは完全になりをひそめ、ブラックバスが特定外来生物に指定され世間の目も厳しいものとなってしまった現在では日本でトーナメントの賞金で生きていくという生き方はもう無理だろう。
トーナメンターとして生きていきたいと思うなら是非とも渡米して欲しい。あそこにはまだ夢がある。でかいトーナメントで優勝すれば賞金だけで2000万円。優勝しなくても50位くらいまでそれなりの額の賞金が出るので日本でトーナメントに出場するよりもよっぽど夢がある。広大な大陸を転戦するのは非常にハードであり、英語の壁も立ちはだかるため困難な道程ではあるが・・・。
バス釣り以外でも鮎のトーナメントやメジナ、ヘラブナなどのトーナメントもあるがやはりこれだけで生活していくには厳しいとしか言いようがない。こういったトーナメントで優勝して雑誌に連載を持ったりメーカーとコラボ製品を出したり色々な釣具店で講習会を行ったりして稼いでいくのがトーナメンターが釣りで生きていく方法だろう。
バスプロならガイド業という収入源もあるが大会の時にお客さんが先に釣りをしていることもあるとか・・・。
メディアで働く
釣りビジョンや他の釣り番組制作スタッフ、書籍の編集やサイト運営スタッフとして働くという方法。
メリットはプロの技を間近で見ることが出来たり取材の現場の裏側を見ることができる事。逆に裏側を見てしまうことでがっかりすることも多い。いい意味でも悪い意味でも現実を見ることの出来る仕事である。
他にも取材で船釣りができることがあるのでタダで釣りができたり、色々なところに釣りに行けることもあること。
辛いこととしては発売日や放送日が決まっている場合スケジュールがかなり厳しくなることもしばしばあり、スケジュール通り進まないと徹夜につぐ徹夜で仕事をすることとなる。
某有名プロの取材では中々釣れない状況で24時間釣りをし続け、移動も1000キロを超えることすらあったという。体力が無いとどうにもならない仕事ではある。
プロアングラー取材中は自分は釣りが出来ないのが普通なので、めちゃくちゃいい場所についていっても釣りが出来ない欲求不満が非常に辛いことも。
釣具メーカーで働く
釣具メーカーの社員として営業の仕事をしたり製品開発の仕事をしたりする。
自分のアイディアが製品になるのは満足度の高い仕事となる。最新のタックルのプロトを使って釣りが出来るなどメリットも多い。
辛いのは自社製品をPRするために基本的に他社製品を使えないこと。気にせず使ってもいいがどこにも出せない情報にはなる。
釣り船屋で働く
釣り船屋とかボート屋というのは基本的に個人事業主になるので資金を用意して独立することになるだろう。外洋での船釣りの場合、通常初期費用には3000万円程度かかる。遊漁の閑散期には漁業をするなどして収益を出さなければならない。
まれに正社員募集があるのでそういったものに応募するのもよい。
ただし船舶免許必須。
自称釣りのプロになる
シーバス釣り界では有名なプロである小沼氏はシーバスの釣りで生活していくと決めてプロになった人。シーバス釣りなどあまり大きな大会のないようなジャンルの釣りであっても専門誌などに企画を持ち込み自分で売り込んでいくことで取材をしてもらいお金を稼ぐことも可能。
無名の人間が専門誌に企画を持ち込むというのは並大抵の努力では難しく、結果が出せなければお金にならない厳しい仕事。そのかわり現在のオヌマンレベルになると普通の会社員では稼げないようなレベルの年収を稼ぐことが出来る(フィッシングショーにて本人曰く)。
厳しい業界ではあるが好きなことで生きていきたいと努力を続け、確かな腕を持っているならば誰にでもチャンスは開かれている。
講習会や雑誌の取材、DVD、テレビへの出演などで収益を上げなければならないので、釣りの腕だけでなくキャラクター作りやコミュニケーション能力も重要なポイント。
釣りブロガー
私は3年以上釣りブロガーで生活していた経験がある。
ただその頃はまだキュレーションメディアなどがしのぎを削っていない時代だったので個人でもそれなりに稼げた時代だったとしか言いようがない。今の時代、法人化したような釣りメディアが多数しのぎを削っていて個人だと寄稿して原稿料を少しばかりいただくぐらいしか稼げないので生活するのは難しいとしか言いようがない。
ユーチューバー
ヒカキン氏や木下ゆうか氏に代表される人気ユーチューバーは年収億を稼いでいるらしいが、あの人達は別格なのでユーチューバーとして生活するのはほぼ不可能だと考えられる。
1アクセスで0.1円という計算という収益率というのが都市伝説だが私も実験的にYouTubeに動画を上げ広告を入れてみたが遥かに低い額の収益になった。恐らくジャンルとして釣りとか水中映像などは広告料金が低くなるのだろう。ちなみに猫の動画も収益率が低いらしい。
一般人に人気のあるマグロ漁とか怪魚釣りとかなら人気になるかもしれない。
追記:最近は「釣りよかでしょう」や「ハイサイ探偵団」が大物YouTuberカズチャンネルのカズさんとコラボするなど釣りYouTuberの勢いが増している。チャンネル登録者数も数十万人レベルでありおそらくそれなりに収益化は成功していると考えられる。中には100万再生されている動画もあり釣りというコンテンツとYouTubeとの親和性の高さが感じられる。水中動画よりも実際に釣ってそれを料理して食べる動画がアクセス数を稼ぎやすいようである。私は水中動画ばっかりアップしてるので全然ダメですw
釣りで生活する生き方を目指すまとめ
どんな仕事でも厳しいこともあれば楽しいこともある。釣りで生活するのも同じで楽しいことばかりを考えて釣りを職業にするのは甘いということが言える。
長年釣り業界を見てきているがバスバブルの頃近くに出来た釣具屋はほとんど潰れた。フィッシングショーの規模も毎年レベルが下がってきていると感じる。
肌で感じることは釣りという趣味は長年景気低迷し続けている業界であること。
日本の景気が良くならないのに趣味の業界に金が回ってくることはないだろう。今後もそれほど大きくならない業界であることは間違いない。
それでも釣りを愛し釣りに関わることが自分の生き方だと思える人には希望に満ちた業界であるだろう。