ふと、釣りをしながら「釣りって別に魚釣るためだけのためにやってないな」と言うことに気づく。
釣りをしていて釣りに集中している時間もあるが、基本的に周りの景色を見ている。
釣り場から見る景色は水の中だったり、水面を漂う水草だったり、上空を飛ぶ鳥だったり自然が溢れている。
普段、私は仕事ではデスクワークで一日の大半パソコンの画面を見ているし、家に帰ってもテレビを見たりスマホを見たりしていて自然を味わうことがない生活を送っている。
通勤でも街はコンクリートジャングルで、自然は公園や歩道の脇の街路樹ぐらい。
自然を感じる時間など殆ど無い毎日である。
それが、休日に行く釣りは基本的に自然の中でやる遊びであり、日常から完全に離れて自然の中に入り込むことになる。
池やダム、湖で行う釣りの場合は周りが全部自然。港湾部の場合はコンクリートに囲まれた場所もあるが水の中を見ると魚が沢山泳いでいて海藻やらカニやらクラゲやらに癒やされる。
そんな時、釣りに行くということは自然を味わうということだと感じる。
釣りをする時は何時間も水辺にいることになる。釣り以外で何時間も水辺にいるという状況があまりない様に思う。
ヨットとかサーフィンとかも水辺に何時間もいる事があるかもしれないが釣りほど自然を感じていないのではないだろうか?
釣りの場合、基本的にリールを巻いてルアーを動かしたりはするものの待ちの時間は多く、ベイトフィッシュの動きや潮の流れを見極めて魚の釣れるルアーを考えたりするので自然を観察する時間がとても多くなる。
ルアーを止めて魚のアタリを待っている時間など暇なので水中を凝視していたり、鳥の動きを追っていたりすることが多い。そういう時間を味わうために釣りをしているのではないかと時々感じる事がある。
水中を泳ぐ小魚を見て、季節の移ろいを感じるし、釣り場の景色を見て自然を味わうことができる。
釣りって魚を釣るためにやるものだけど、実際のところ自然を味わうためにやっている部分が多くて、もしかしたら魚が釣れるかどうかなんて釣りの楽しさの中のほんの数%なのかもしれない。