夏場、海では潮が動きにくい湾奥で赤潮が発生して海が真っ赤に染まったり、淡水でも雨が降らずに水が動かない池や湖、ダムなどではアオコが発生してバスクリン色に染まる。
どちらもプランクトンが原因で水が濁る現象であるがこれは釣りにどういう影響を与えるのか?経験を元に書いてみよう。
基本、赤潮もアオコも普通に釣れる
むしろ釣果が上がることの方が多いと感じる。
確かに赤潮・アオコが発生する状況というのは水が動いていないということなので、夏場の高水温期においてあまり良い水とは言えないとは思う。
ただ、プランクトンなのでベイトフィッシュの餌であり、魚自体はそれほど少ないという感じはしない。
水の透明度が低いということは濁っている状況に近く、透明な水よりもプレッシャーが減り魚はかなり近くにいることが多いというのも釣りやすい要因の一つであるし、濁っている時はライトな釣りよりも水をかき回すハードルアー系の釣りの方が強いというのも釣りやすいという要因の一つになる。
赤潮もアオコもカバーになる
赤潮にしてもアオコにしても夏の強烈な太陽光線を遮ってくれる雲のような役目を果たすため、夏暑いときほどカバーとしての役目を果たしてくれる事がある。
赤潮・アオコが無いクリアな場所だと魚が沈んでいたり、水の動くエリアに集中していたりするが赤潮・アオコがあるエリアの場合、昼間でも中層に浮いていることがあり、活性が高かったりする。
カバーが出来ていて上空の鳥などを警戒する必要性が無いため積極的に中層で餌を追っている状況もある。
赤潮やアオコで魚が死んでる?
時々ニュースで赤潮で養殖している魚が死んでしまったとか聞くし、実際に琵琶湖などではアオコで小魚が死んで浮いているのを見たりする。
それは大量のプランクトンが風などで流されて集中することによりプランクトンが魚のエラに詰まったりプランクトンが酸素を消費しすぎて酸欠になったりするということが起こるために発生する。
養殖の場合は特にひどい赤潮が来た時、魚が逃げることが出来ずに為す術無く死んでしまうが自然の魚の場合はひどい赤潮が来たら逃げるので死ぬほどの被害はない。
自然界で魚の大量死が起こりやすいのは赤潮ではなく青潮の方である。これは海底でプランクトンが死んで分解される時に発生する硫化水素が風などで海底から流されて発生するもので毒性が強く自然界の魚も逃げることが出来ずに大量死が起こってしまう。
アオコに関しても元気な魚はアオコが集中している場所から逃げるのでそう簡単には死なず、身体が小さくて泳力の乏しい魚などが死にやすい。琵琶湖で死んでいる魚を見ても圧倒的に小さい魚が多く死んでいるように感じる。それもウィードの中で動けずに死んでいる小さなブラックバスやブルーギルが多い。ウィードの中では大量のアオコに囲まれた時に逃げられずに養殖魚のように死んでしまいやすいのかもしれない。
赤潮・アオコは釣りにとってマイナスなのか?のまとめ
赤潮とかアオコは私の中ではどちらかと言うとプラスのファクター(要因)と感じる。
クリア過ぎる海よりも赤潮が発生している方がシーバスなどの魚は確実に釣りやすく、特にチヌに関しては赤潮だからこそ釣れそうと感じる。クリア過ぎると釣れなさそうとテンションが下がってしまう。
アオコにしてもアオコの下はシェイドになっているので夏の攻めるべきストラクチャーになっている。浮草のようなイメージで攻めればいい。アオコが発生するとカナダ藻などの水草が育たないのは太陽光線を遮断するからであるわけで完全に水の中はシェイドになっていると言える。
よく釣れない言い訳でアオコだとか赤潮だとかが出てくるのだが正直それは釣れなかったからアオコのせいとか赤潮のせいにしたいだけなんだろうと思う。ターンオーバーだとか二枚潮だとかそういうのと同じだろう。
釣り方さえ合っていればアオコでも赤潮でも釣れるし、なんならクリアな状況よりも釣りやすい。