ベイトフィネスというのはこれまで重いルアーしか使用できないと考えられていたベイトキャスティングリールが技術革新の恩恵により、2〜3グラムという極めて軽いルアーまで使用できるようになったことから生まれた釣り方のこと。
練習次第では3グラム程度の仕掛けを必要十分な距離投げることが出来るようなタックルも出ていて、これまではスピニングリールの分野だった釣りをベイトタックルで出来るようになった。
今回はこのベイトフィネスでのソルトウォーターフィッシングについて紹介していく。
目次
タックル紹介
ロッド:シマノ ポイズンアドレナ1610LBFS
リール:シマノ カルカッタコンクエストBFS
ライン:クレハ フロロマイスター8LB
メリット
メリットはスピニングよりも手返し良く正確にポイントを攻めることの出来る操作性とパワーファイトが得意な点。
デメリット
極端に細いラインは使いづらいところと慣れるまではバックラッシュが発生しやすい点。飛距離はPEラインを使ったスピニングタックルに負ける点。
実際に使ってみた釣り
チニングとテトラの穴釣りに実際使ってみた。
チニングについて
チニングは基本的に底をズルズルやる釣りで夜釣りの場合は殆ど足元で釣れるためそれ程の飛距離は不要。アタリはフロロカーボンなので明確に伝わる。
40センチクラスのキビレを数匹釣ってみたがパワー的には全く問題ない。ドラグフルロックでやりとりしたが7LBのフロロカーボンは全く切れる心配は感じず。根が荒い場所の場合は根ズレが心配なので無理をしないほうが得策。
一応ドラグのチェックのために少しドラグをゆるめてやりとりしてみたがちゃんと滑らかにドラグは滑りやり取りにも向いている。
ちなみに7LBのフロロカーボンラインは2キロ近くまで持ち上げることが出来るため40センチクラスのキビレなら軽く抜きあげることが出来る。パワーの有るタックルのメリットの一つ。
ストラクチャーをタイトに攻めるようなポイントでのチニングではコントロールの効くベイトフィネスは有利。暗く着水がわからない状況でも慣れれば感覚でどの辺に飛んだかとかがわかる。
投げっぱなしのスピニングよりは何処へ行ったかがつかみやすく私は扱いやすかった。
ただ全て感覚での操作となる夜釣りは初心者には難しく、初心者はある程度感覚をつかむまで昼間練習したほうが良いかもしれない。軽いリグでナチュラルに攻めることも出来る上、引きの強いチヌと対等にやりあえるパワーは魅力がある。
フロロカーボンラインは沈んでしまうのでトップでやるチニングにはPEライン2号程度を使ってやると良いだろう。
追記:トップでのチヌ釣りでもフロロラインで対応可能
トップのチヌ釣りもボトムのチヌ釣りも同じタックルでできるんじゃない方実験的にやってみたトップであるが昼間のトップの釣りにポーズは必要ないためラインが沈んでも特に問題とならないことがわかった。
2シーズン使っているが2桁の魚をゲットして全く問題ない。逆にスピニングでやる方が不意の大物になすすべなく切られるリスクがあり、私はチニングはとんでもなく広大で飛距離が必要な場所以外ベイトフィネス一択だと思っている。
ベイトフィネスでのテトラの穴釣り
メバルやガシラを狙ってテトラの穴釣りをしてみたが軽いリグ(1〜2グラムのジグヘッド単体)ではガイドにラインが干渉する影響で落ちていかない。ラインをスプールから必要な長さ引き出して垂らす。ブラックバス釣りのフリッピングのようなやり方で落とし込めば使える。
扱いではスピニングに分がある穴釣りではあるが、やり取りに関してはテトラの場合潜られると終わりなので超強引なやり取りの出来るベイトフィネスは非常に有利。
キャストの必要性もないこの釣りは初心者でも簡単に始められておすすめ。ラインもPEラインと結合する必要もなくシンプルな釣りができる。
今後考えられる釣り
フロロカーボン7LBは細く扱いやすくそれなりに飛距離も出るラインではあるが飛距離に関して言うと現在ソルトルアーでは一般的に使用されているPEラインには到底及ばない。
その為ベイトフィネスと言うタックルでウェーディングのシーバスゲームをやったりサーフからのヒラメをやるのは現実的ではない。
以下でベイトフィネスが向いていそうな釣りを紹介する。
ベイトフィネスが向いているソルトルアーフィッシング
アコウやガシラなどの根魚系
根魚は飛距離というよりも根を正確に攻めることのできる操作性が必要な釣り。目の前を通せるかどうかが重要なので操作性のよいベイトタックルは非常に有利。更に根から素早く引き剥がすパワーも持ち合わせている。
運河や小規模河川などでのシーバスゲーム
運河や隅田川ぐらいの小規模河川の場合ストラクチャーを狙うことが多くなりキャスティング性能の高いベイトフィネスは非常に有利になる。スピンテールや鉄板系の重めのルアーも問題なく扱え、飛距離のいる場面でも必要十分なキャストは可能。ロッドの長さが無い分ばらしやすくなってしまうと言うデメリットはある。
エギング
飛距離が必要な場面や足場が異常に高いポイントでは厳しいかもしれないが漁港のエギングでは特に問題なく3.5号のエギを操作できる。実際元同僚は基本的にベイトタックルでエギングをしていて普通に釣っていたのでベイトフィネスでも何ら問題ないと思われる。
オクトパッシング
タコ釣りでも問題なく使えるだろう。下手にエギングタックルでやるよりも扱いやすく向いているといえる。
アジング・メバリング
1グラム以下のジグヘッドを単体で使用する釣りはまず不可能であるが中オモリを使ったキャロゲームや3グラム程度の小型メタルジグを操作する釣りでは問題なく使える。
ライトショアジギング
ロッドの長さ的に漁港からのチョイ投げぐらいがちょうどよいがパワー的にはサゴシやハマチぐらいなら問題無さそう。さすがにメジロやヒラマサなんかがかかると厳しいが20〜30グラム程度のジグを投げるならちょうどいい。
ソルトでのベイトフィネスの可能性
ベイトフィネスのメリットはなんといっても小型ルアーを難なくキャストすることが出来ることと正確なキャストが決まること、パワーファイトが可能なことである。
その為パワーファイトが不要なライトゲームではオーバースペックで△。
その他のエギング、ライトショアジギング、サーフの釣りなどはベイトフィネスで無理にやらなくても良いと感じるので△。
ベストなのは大型根魚、チヌ、運河のシーバス、漁港でのオクトパッシングあたりだろう。これらの釣りをよくする人はベイトフィネスタックルがあるともっと楽しく釣りができると感じる。