ルアーはプラスチックや金属、木材などの素材でできているが動かさないとその力を発揮できない場合がほとんどである(まれに浮かしてるだけで釣れることもあるが)。
どんな時にどのような動かし方をすれば良いのか知っておくと釣れる確率はアップする。このページではルアーを動かすテクニックについて紹介していこう。
目次
ただ巻き
最も基本的な動かし方にして最も重要なテクニック。
ただ巻きはその名の通りただ巻くだけなのだが実に重要なテクニックでただ巻きが上手く出来るか出来ないかで釣果が大幅に変わることもある。
ただ巻きのポイントはロッドを持つ手をしっかりと固定して安定したリトリーブ(リールを巻いて泳がせること)を行えるかどうかになってくる。ロッドを持つ手がグラグラだとルアーの動きに安定感がなくなりルアーを見切られることがある。
リトリーブのテクニックとしては、
- スローリトリーブ(できるだけゆっくり巻く)
- ミディアムリトリーブ(一秒に一回転から2回転ぐらい)
- ファストリトリーブ(出来る限り速く巻く)
- 可変リトリーブ(巻くスピードに変化をつける)
などがある。
最初はミディアムリトリーブぐらいから始めて状況によりスローリトリーブやファストリトリーブを試してみる。魚の活性が高くて小魚を追い回しているような時は速い動きのほうが良かったり、低水温などで魚が活発に動かない時はスローリトリーブや更にゆっくり巻くデッドスローリトリーブを試す。
可変リトリーブは食わせの間を与える意味で使ったりする。速巻きから急にスローにしたり、スローから急にファストリトリーブにするなどすると後ろについてきて見切っていた魚がリアクション(反射的に)で食ってくる可能性がある。
フォーリング
フォーリングというのは沈ませるというテクニックで沈むルアー限定のテクニック。
沈ませるだけなのだが魚は横に移動するエサを追う時と縦に移動するエサを追う時があり、縦に動くものにやたら反応がいいことがある。そんな時にただ沈ませるだけというテクニックは非常に有効である場合がありパターンとして成立する。
フォールと言ってもルアーの特徴によって様々なフォールがありテクニックとして挙げると、
- フリーフォール(糸を出しっぱなしにして真下に落とす)
- カーブフォール(糸を出さずにフォールさせるとフォールしながら手前に寄ってくるロッドを立てながら寄せたりリールを巻きながら寄せることもある)
- スパイラルフォール(ルアーの特徴によりフリーフォールさせると円を描きながら沈む)
- シミーフォール(ルアーの特徴によりゆらゆらと誘いながらゆっくり沈む)
- バックドリフト(後方重心のルアーをフリーフォールさせると後ろへとスライドしながら沈む)
と様々なフォールがある。
フォーリングを試したい場面は魚がサスペンド(中層に浮いている)している時。魚は活性が低いとあまり上下の層へ移動しづらいのでフォールですべての層を通すことで目の前に来たルアーを食ってくる事がある。
回遊している魚にフォールを使うこともあるが基本的にフォールを使いたい場面はストラクチャーについている魚を狙う時。
特に垂直のストラクチャーにへばりついている魚には非常に効果が高く、シーバス釣りの岸壁ジギングやチヌの落とし込み、バスフィッシングでも垂直岩盤パターンなど垂直に伸びるストラクチャーについた魚を狙いやすいのがフォーリングである。
カウントダウン
カウントダウンはルアーフィッシングの基本テクニックの一つで大体どの釣り入門本にも書かれている。
沈むルアーを使う時限定だが底まで何秒かかるかを数えておけば大体どの深さを狙っているかが把握できる。
例えば20秒で底につく場所で釣りをしているならカウント5秒で巻き始めればかなり表層を攻めていることになるし、15秒まで沈めればかなり底を攻めていることになる。
魚がどの層で食ってくるかわかれば攻めるのがとても効率良くなる。
他、カウントダウンで底までの秒数を把握しておけば根掛かりを減らせる。なぜなら20秒で底につくなら19秒で巻き始めれば底にコンタクトしないので底を攻めつつ根がからないというわけである。必ず底までの秒数は数えておこう。
ジャーキング・トウィッチング
初心者がわかりづらいのがジャーキングとトウィッチングの違い。ジャークは英語で「ビクッとなる」という意味なので強めにロッドを動かすこと。ビクって感じで強めにルアーを動かせばジャーキング。
ジャークほど強くないロッドアクションがトウィッチング。ちょんちょんと移動距離を少なくしてちょっとだけ動かしてルアーをキラッキラッとイレギュラーアクションさせる。
このテクニックのコツとして重要なポイントはロッドを動かしたあと必ず竿先を元の場所に素早く戻し、ラインのたるみ(スラック)を作ってあげること。ピンと張った状態とたるんだ状態を素早く繰り返すことでルアーは自由に水中を動き回る。
これに関してはルアーの動きを確認しながらどの程度のロッドアクションが必要か試してみる事が大事だろう。
シャクリ
ロッドを大きく立ててルアーを大きく動かすのがシャクリ。
エギングなどで使う事が多く2段シャクリなどのテクニックがある。このシャクリに関してもジャーキングやトウィッチと同じようにスラックを出す事が大事でシャクったら必ず元の位置にロッドを戻し糸ふけを作る。
シャクリはエギング以外でも最近はワインドと呼ばれる釣り方でも使われてこちらの場合はシャクリっぱなしで巻いてくる。エギングは2段シャクリをしたらフォールを入れるがワインドはフォールがいらない。
ルアーを大きく動かしてダートさせたい時はシャクリのテクニックが必要でシーバスやタチウオ以外にもサゴシやシイラなどもシャクリで釣れる。是非とも覚えておきたいテクニックの一つである。
シェイキング
シェイクはロッドを振動させてルアーを小刻みに動かすアクションのことでルアーをあまり動かさず一点で動かしたいときなどに使う。
例えば弱った魚をイメージするとあまり泳げずに漂っていたり、底に沈んでピクピクしていたりする。それをイメージして動かす。
コツとしては出来る限り移動距離を抑えること。そのためには伝わるか伝わらないかぐらいの力でロッドを動かさねばならず意外と難しい。イメージとしてはここにいるよと気づかせてあげるイメージであくまで魚が自分でエサを発見した感じになるようにしたい。慣れればルアーを生き物にする事のできる命を吹き込むシェイクを習得できるだろう。
特にワームでチヌやブラックバスなどを狙う時には必須のテクニックで活性の低いときほど動きを抑えたシェイクを行う。
ストップアンドゴー
止め(ストップ)とリトリーブ(GO)を繰り返すテクニック。
ただ巻きでは反応が悪い時、追いきれないと感じる時にストップを入れて食わせの間を与える。
このストップの時間は一瞬でいい場合もあればサスペンド(ウキも沈みもせず漂う)ルアーを使って1分ほど食わせの間を入れ無ければならない状況もある。
ストップアンドゴーのテクニックの一つとしてロッドを立てながらルアーを泳がせ、止めてロッドを戻しながら糸ふけを巻き取る「ポンプリトリーブ」というのも有名。一定層を狙うことが出来る。
リフトアンドフォール
巻き上げ(リフト)と落とし込み(フォール)を繰り返すテクニック。
ただ巻きでは反応が悪い時、縦に探ることが出来る。
魚が底にいる場合は底を何度も取り直すことでバイトチャンスを増やす意味もある。(2度底、3度底)
8の字アクション(別名エイトトラップ)
釣りをしていると足元まで魚がルアーを追いかけてくることがある。そんな時にルアーをすんなり回収せずに足元で8の字を描くようにロッドで上手くコントロールさせて泳がせ続ける。
シーバスなどを防波堤から狙う場合など足元がかなり深くなっておりまだ足元に魚が隠れている可能性にかけて5分ぐらい8の字をやるというプロもいる。実際に釣れるらしい。
意外と追いかけてくる場合があるのでそんな時は8の字アクションを試してみて欲しい。特にビッグベイトを追尾してきているバスは足元でもエイトトラップによって食わせることが可能でよくつれている。
テクトロ
足元が急に深くなっている岸壁などでよくやるテクニック。
足元に隠れる場所があると足元がベストポイントとなることも多く、護岸沿いを攻める為にルアーを足元に落として数メートルラインを出しながら歩いてルアーと一定距離を開けたらラインを出すのを止めて歩きつづけるとルアーが引っ張られてトローリング状態になる。てくてく歩きながらトローリングをするのでテクトロ。
沖堤など何キロも歩き続けて足元を探り続けるなど体力のいる釣りではあるが実績は高くひたすら何度も往復し続けることで魚を拾い続けるパターンもある。
テクトロしながらルアーをトウィッチするテクトロとウィッチというテクニックもある。
ドラッキング
ドラッキングはボート釣りなどでボートをモーターや風などで流してリールを巻かずにルアーを動かすテクニック。
ドラッキングの場合普通にルアーを巻く場合よりもルアーが潜りやすく普通2〜3メートルを狙えるシャッドやミノー、クランクなどで4〜5メートルや、もっと深いレンジ(水深)を狙うことが出来る。
ただ、流してるだけなのでアタリが取りやすくフッキングに持ち込みやすいというメリットも。
ボトムステイ
その名の通り底にルアーを沈めて止めておくこと。
ルアーは動かして釣るものだが時として静の釣りの方が釣れる状況もあり何もせず止めておくだけの方が圧倒的に釣れる事がある。シェイクすら聞かないシビアな状況の場合など試してみると良いだろう。
ズル引き
ズルズルと底を引きずる釣り方。底の凹凸により微妙なアクションを生み出しよく釣れる事がある。
もちろん底を引きずるので根掛かりしやすいルアーは使えず、ワームを使った釣りが主体となる。
ゆっくり探る場合はリールを巻いてアクションさせるのではなくロッドを動かして底の感触を確かめながら引きずりロッドを戻しながら糸ふけを巻き取るのがよい。
ナチュラルドリフト
自然に流すこと。流れのあるフィールドでは流れによってルアーが自然に流れていき特にアングラー側でアクションさせることはないが勝手にルアーが動き自然な動きを演出する。
流れ込みにルアーを投げ込み自然に流れてきたエサを演出させれば勝手に魚がエサが来たと感じて食ってきたりする。シビアな時はより軽いルアーを使い非常に微妙な流れの変化で自然に動く状況を作ったりする。
バスフィッシングトーナメントなどのシビアな状況では非常に効くテクニックとなる。
U字ターン
川や潮流のある海などでルアーを流れと直角に投げて巻いてくると自然とルアーが流されて軌道がU字を描く。これをU字ターンと呼び、ルアーの向きが変わるタイミングと魚のフィーディング(餌を食べる)ポイントと重なるとヒットしやすい。
流れを利用すれば自動的に食わせの間を与える事のできるこのテクニックは誰でも出来るテクニックではあるが流すコースやスピードなど意外と奥が深いテクニックでもある。