魚も人間同様に様々な感覚器官でエサを探している。人間の五感のように視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の他に側線という器官でも周りの様子を感じ取っていると言われている。
今回はその中でも嗅覚、「匂い」の力について紹介してみる。
魚の嗅覚は非常に優れている
魚の感覚器官としては嗅覚は非常に優れており、嗅覚が優れていると言われている犬などと同等の能力があると言われている。視力に関しては人間の視力検査の方式での値で0.1程度言われており魚は嗅覚に頼ってエサを取る生き物であるといえるだろう。
どんな匂いが好きなのか?
魚が好きな匂いというのはどういう匂いなのか?ということについて実験したデータがあるのだが魚はアミノ酸の匂いに対して非常に敏感であるという結果が出ている。
通常アミノ酸は旨味の成分であり匂いを発するものではないのであるが水中という場所では匂いも味も同じように水に溶けて流れだすので魚は匂いと味を同時に感じる事ができるとのことだ。
ナマズなどは口の中には味覚を感じる器官が殆ど無くヒゲで味を感じている。エサはほとんど丸飲みなので口の中に味覚は不要なのである。
実験結果では化学調味料やにんにく、乾燥シイタケ、昆布などに対しては誘引効果が見られなかったとのこと。俺が昔鯉やフナを釣るのに使っていたグルテンワンというエサにはにんにくの強烈な匂いがついていたが効果が無かったのか・・・人間を釣るための匂いだったのだろう。。。
匂いの効果を感じた体験
ここで少し実体験から匂いの効果を語ってみたいのだが昔私が中学生だった頃、青野ダムという激スレダムでバス釣りをした時のことだ。
見えバスは結構いるのだがどんなルアーを使っても全く反応しない。ワームも色々試したがバスは天才でワームを見るだけで逃げていくような状況。
もはや打つ手なしか?と諦めかけた頃、足元に死んだミミズの肉片が落ちていた。踏まれてほとんど原型を保っていない状態でこんなので釣れるのかな?と思いつつも少し針につけて投げてみる。もはや肉片だけなのでミミズとして認識できる状況ではない。
それでもバスの目の前に落とした瞬間パクっと食って釣れてしまったのである。
完全に「匂い」の力だけでスレたバスがエサを食うという証明である。どれだけ形を魚に近づけても匂いの力には勝てないわけである。
ルアーフィッシングにおける「匂い」を利用する方法
魚がどれだけ匂いを頼りにしてエサを食っているかをわかってもらえたかと思うがルアーフィッシングでも匂いを利用する方法があるので紹介する。
ガルプを使う
バークレイ社が巨大水槽で実験を重ねて生み出した味と匂いが付いたワームというのが売られている。
その中でも生分解性のガルプは通称ガルプ汁と呼ばれる液体が染みこんでいる。空気中に放置すると味と匂いが蒸発して干からびることが示しているのは味と匂いによってワームが構成されているということ。
実際に使ってみた感想としてはルアー釣りとしては反則ギリギリと言う印象。バス釣りなどではボイルした場所に投入してフォールさせるだけで釣れるし、チヌも動かさないでもガンガン食ってくる。
キスやハゼ釣りなどでもエサとして使えるレベルでありガルプはルアーとエサの中間地点といったワームであろう。
色々な集魚剤を使う
最近はスプレータイプの集魚剤も何種類か発売されている。ガルプはもちろんのことマルキューなどからもエギング用の集魚剤が売られているし、バス釣りでも様々な集魚剤が販売されている。
効果が高いものもあるし、それほど効果が感じられないものもあるかもしれないがいざという時に持っていると持ってて良かったと感じることはあると思う。
ただし、くれぐれも密閉出来るケースで保存しておくこと。ガルプ汁が漏れると最悪なことになる・・・。