バチ抜け攻略法について詳細解説!時期やタックルなどは?
春はシーバスを釣る上で秋と同じくらい・・・いや秋を上回るほどのハイシーズンである。
この春のシーバスは体力を回復させるために荒食いをするからだ。
そのエサがバチと呼ばれるイソメやゴカイ。春の大潮に産卵のために海を泳ぎまわる。この絶好のエサを効率よく捕食するシーバスは小魚やエビなど普段活発に食べるエサを無視する。
だからバチ抜けシーズンは釣り方を知らないとノーバイトになってしまう。
このページではバチ抜けの釣り方を詳しく説明していこう。
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バチ抜けのバチとは一体何なのか?
バチとは青イソメなどのイソメ類・ゴカイなど虫エサ系のことだ。
この虫君たちは普段水底の砂や砂利などの中に潜って生活しているが早春から晩春の大潮を狙って続々と産卵のために水底から出てきて泳ぎ回る。
このバチにも種類があり、一般的によくいるのが中バチで大体7〜10センチ程度のサイズで色はアオイソメみたいないろや赤茶色っぽい色。
他にもくるくる回りながら素早く泳ぐ小バチ(トリッキーバチ、くるくるバチなどとも呼ばれる)や大バチもいる。
くるくるバチは普通のバチパターンと少し異なる場合があるので注意が必要だ。
大きいバチは本体で自分が見た最大は30センチほど。こうなるとセイゴごときでは相手にならない!私が見た個体は何度も攻撃を受けていたが最後まで食べられることは無かった。
バチは元々泳ぐようには出来ていないので泳げるのは泳げるものの魚ほどは泳げない。流れの影響が強い場所では流れに任せて流れて行ってしまうため流れの弱いところに溜まりやすい。
その他、光によっていくという性質も持っている。
「バチ抜け」というキーワードを画像検索するとどういうものかわかると思うが虫が苦手な人は絶対に検索しない方がいいだろう・・・。見たい人はこちらから→バチ抜け画像
バチ抜けっていつからいつぐらいまでがシーズンなのか?
バチ抜けのシーズンは地域的な格差はかなりあるが東京湾の場合、大体1月の最後の大潮から開始する。序盤は体力のある大型のシーバスが釣れることが多く、型を狙うならこの序盤を狙うのが良い。
しかし東京湾などではバチ抜けシーズンは2月末辺りで一度終息する。バチ自体は抜けておりそのバチを食うシーバスもいるが、3月前半はアミパターンになる。
そのアミパターンが一段落して4月ごろからまた本格的なバチシーズンに移行する(東京湾の場合)。後半のシーズンはサイズが下がり20センチクラスから40センチクラスメインとなるが、50~60、70センチ~も釣れなくは無い。ただ狙って釣るには難しくなる。
大阪湾の場合
大阪湾の場合はアミパターンと言うものが見当たらず、4月の後半まではボラの稚魚であるハクパターンとボトムのハゼを食うパターンが見られる。
場所によってはイカパターンやイワシパターンなど様々なパターンが混在しているためバチパターン最盛期は4月後半から5月頃が中心。
バチ抜け用のタックルは?
バチ抜けの釣りは繊細。
ルアーをあまり動かさず、シーバスの軽く吸い込むような小さなバイトを乗せていかなければならないのがこの釣り。
そんな小さなバイトを弾かずに乗せるために必要なタックルはどういうタックルなのか?
バチ抜け用のロッド
普通のシーバスロッドで大丈夫なのか?
答えはノー。
確かに普通のシーバスロッドでも釣れる時は釣れる。私も初期の頃は谷山商事の安い入門機種を使ってバチ抜けシーズンに連発させていた。
ただし、今の時代バチ抜けの釣りがものすごく研究され、シーバスアングラーのレベルも私が始めた頃と比べ物にならないくらい上がっている。ルアーも非常に細分化され、昔はにょろにょろぐらいしか無かったバチ抜けルアーが今では何十種類も出ている。
こんな状況で昔のように普通のシーバスロッドを使うとどうなるのか?全然乗らなくなるのである。確かにシーバスはバチを食ってるのでルアーに反応する。だが食いは浅く疑惑を持って食いに来ている感じがする。アタリだけはたくさんあっても結局全く乗らずに終了ということもあり得るのが現在のバチ抜け。
このバイトをどうやれば取れるのか?
答えはソリッドティップのロッドである。極限まで乗りを追求するとシーバスがルアーを吸い込んだ時にルアーが吸い込まれなければならない。ソリッドティップのロッドならそれが可能なのである。
シーバス用のソリッドティップのロッドも今ではかなりたくさん出ているので一本持っておくと色々と便利だろう。(マイクロベイトパターンにも使える)
見やすいロッドティップなので目でアタリが取れる竿
もしも信用出来ない場合はソリッドティップのメバリングロッドで試してみるといい。ソリッドティップでしか釣れない体験をしてしまうとその後はソリッドティプのロッドしか使えなくなるはずだ。
バチ抜け用のリール
滑らかな巻き心地のリールならなんでもいいが最近流行りのハイギアリールよりもノーマルギア(ローギア)がおすすめ。バチ抜けではゆっくり巻く必要がありハイギアリールよりもノーマルギアリールのほうがゆっくり安定して巻くことが出来るから。
大野プロのようにハイギアのほうがゆっくり巻けるって言ってる人もいるのでハイギアがあっている人はハイギアでも特に問題にはならない。
例としてはストラディックCI4やルビアスなどが軽くて滑らかな巻き心地のリール。
巻物をやる時は軽すぎるリールだとやりにくかったりするが、バチ抜けで使うルアーはほとんど引き抵抗の無いシンキングペンシルだったりするので、軽いリールの方が感度が高くなりメリットが大きい。
バチ抜け用のライン
バチ抜け用のラインはPEラインにナイロンかフロロカーボンラインのリーダーを50〜100センチ入れる通常のラインシステムで問題ない。
セイゴばかりしか釣れないだろうと細めのラインを使ったりすると不意にかかる大物に対応できない事があり、障害物があるような場所ではちゃんとやり取り出来るラインを使うことをおすすめする。
バチ抜け用ルアー
バチ抜けの季節で必ず持っておかなければならないルアーがいくつかある。それを紹介していく。
まずはジャクソン社の「にょろにょろ」である。これはもう完全に中型バチそのものである。
何種類か大きさがあるが8.5センチがあれば港湾運河などでは最強の武器になるが6センチや12センチもっていて欲しい必ず必要な場面が訪れる。カラーだがお腹が赤系でほぼ間違いない。SGCカラーは最強以外の何物でもない!
【コラム】バチ抜けでの「にょろにょろ」の使い方
ここでにょろにょろの使い方をご紹介。
1.流れの上流に向かって投げて流れてくるバチを演出。
これは王道。基本的に一番釣りやすいパターン。特に重要なのは流れが集まる場所と反転流。ボイルが出てる場所だからわかりやすいけど。
2.明暗の境目
これもボイル多発地帯。暗いところに隠れて流れてくるバチを食ってるのは大きいサイズ。小さいやつは明るいところでもかまわず食ってくる。
3.足元
テクトロも重要。足元には思ったよりもたくさんのシーバスが潜んでいる。
4.かけ上がり
ここは余り人が攻めないので大型が釣れる可能性が高い。ただし、上級者向け。ニョロニョロの一番大きなサイズで遠投し竿をたてて巻く。フローティングミノーを流す方法もあるが表層を攻めるのが重要。
にょろにょろがいまいち当たらないとかボイルが無いときはレンジが違う可能性がある。
バチ抜けシーズン初期、時間帯が早い時強いのがローリングベイト。底からの巻上げは地面から水面へ向かうバチを演出することが出来る。2月のボトム攻めはバチを意識している魚にもかなり効く。
ボイルだらけなのににょろにょろではなぜかボラとかマルタしか釣れない時効くルアーがワンダー80。なぜかワンダーにしか釣れない魚がいるのは間違いない。ボイル地点でフォールさせると食ってくるので積極的に掛けていく。
最近のルアーではデュオ・ベイルーフマニックがダントツの人気で実績も高い。
このルアーの凄さはダントツの飛距離。結構重めなのでめちゃくちゃ飛ぶが浮き上がりが速く表層を攻めることが可能。にょろにょろでは攻め切れない場所を狙うとき使えるルアーである。(サイズもたくさんあるのでこのルアーが出てからはぶっちゃけにょろにょろなしでも良くなってきた)
同じようなバチ抜け攻略用のシンキングペンシルは各社からたくさん出ている。実績があるところではモアザン スイッチヒッター、ima・アルデンテ、邪道・ヨレヨレなどたくさんある。
ここまでシンキングペンシルを紹介してきたが実はミノーで普通に釣れる時もある。でも動きはローリング系を使ったほうが良いようだ。特によく釣れたのはサスケ95ss、ソルティーダーティスト、ハンクルミノーなど。
また水面に顔を出しながら泳ぐトリッキーバチと呼ばれる小型のバチを食っているときは浮くルアー、バス用のペンシルベイトが強い。エバーグリーン・コンバットペンシルやラッキークラフト・サミー、メガバス・ドッグXなどが良い。
ルアーを選ぶコツとしては泳いでいるバチに似た物を使うということ。トリッキーな小さなバチが泳いでいる時は小さいルアーが効くし、長くて大きなバチが泳いでいる時は大きめのミノーの方が良い時がある。水面を見てその時のバチを確認しながら釣りをしよう。
最終兵器がワーム
バチ抜け用で結構お世話になっているのがメバル用のワーム。
メバルを狙ってシーバスが来ることが多いのがこの季節でにょろにょろでダメだった場所で試しにマゴバチを投げてみると簡単に60センチシーバスが釣れてしまったこともある。サイズは選べないが坊主は回避出来るだろう。
(チビならいくらでも釣れることがある)
バチ抜けの攻略のポイント
ここからはバチ抜け攻略の釣り方を紹介していこう。
バチを捕食しているシーバスはバチを偏食する
バチ抜け時期、かなりの割合でボイルが起こる。シーバスの場合もあるし、東京湾ではマルタの場合もあり、ボラがボイルしている場合もある。ボイルがあるということは水面下で捕食が行われているということなのにルアーには無反応なのである。
何故ルアーに食いつかないのか?それはボイルを発生させている魚がバチしか食わない状態なのである。ラパラの榎本さんのビデオを見ればわかるがこの時期のシーバスに普段食べているカニなどのエサを投じても、一度くわえてすぐに吐き出すという行動に出る。
卵を持ったバチがフラフラ流れてくるのはシーバスにとっておいしいくて甘いオヤツが勝手に流れてくるということなのだ。そんなエサがたくさんあるのにカニなどのせんべいみたいな固いエサを食べない季節なのである。こういうときはバチに極めて近いルアー、バチに極めて近い動きを与えてやるほか無い。
バチ抜け狙いでのルアーの動かし方
とにかくスローに。変なアクションは禁物!バチは結構トリッキーなアクションをしているが、ルアーにそんなアクションは全くいらない。アクションを入れたりすると逆に釣れなくなる。とにかく、1年で一番ルアーをゆっくり巻く時期だと思って竿を立てて表層を泳ぐギリギリの一定速度で巻き続けるのがベストだ。
シーバスフィッシングのプロ小沼氏は巻かないと言っている。巻かないのは寂しいので自分は巻くが管理釣り場のニジマス釣りと同じような釣り方でいい。とにかく等速でスローに表層を引いてくるイメージで巻こう。
バチ抜け時期によい場所
バチ抜けを意識した魚が集まる場所が運河だ。
具体的にはこの地図のような場所である。東京湾のこの周辺の場所は世界一シーバスのストック量が多い。
汽水域である運河には大量のバチがストックされておるため外洋からシーバスが運河に集結する。
この運河の中でも特にバチがたまりやすい場所は流れが渦を巻く合流点やワンドなどの場所に行けば水面を泳ぎまわるバチが確認できるだろう。
あとはバチが流されて来やすいという点では南風の当たる港湾部というのもいい場所。テトラが沈んでいるなどで流れが複雑化すればするほどバチが溜まりやすい。
この時期はバチを食いにボイルするのでいるかいないかはわかりやすいがボイルがマルタウグイやボラと似ているのでシーバスなのかどうかは釣ってみるまでわからないのが辛い所。
バチ抜けの時合
この釣りで重要なのが時合。時間帯によってはボイルが終わってしまっていたりする。
バチが抜けるピークはいつか?満潮からの下げ始めから2~3時間がピークだと思う。バチを食うピークか?時間が経つとお腹がいっぱいになるのかボイルが減ってゆく時がある。シーバスのストック量によって違ってくるようなので一概には言えないものの大潮の日だと夕マズメから午後8時くらいは外せない時間帯といえる。
あと知っておきたい潮についての話だが潮見表をよく見ると満潮の山が2つ出来ている。その山の高さがある日を境に左と右で高い方が入れ替わる。その入れ替わった日がかなりの確率で入れ食いチャンスデーになる。
(左のほうが高い)
釣りに行く日を決めるときに知っておきたいデータである。
バチ抜け攻略まとめ
(チヌのいる場所ではバチ抜け時期にはにょろにょろでチヌも狙える)
このページに書いてあることをひと通り読んでもらえればバチ抜け攻略の糸口が少しは理解してもらえると思う。
ただ、ここに書いてあることだけでは攻略しきれないパターンもあるのが自然界。どれだけボイルしていても食ってこない魚は確かにいる。それを攻略して釣るのが楽しいというのもあるが。
ちなみに、余談だがバチ抜けの季節に大型のシーバスを狙うにはバチ抜けのつりをあえて避け、大き目のルアー(ジョインテッドクローなど)を投げることでバチを食っている小魚を狙っている大型のシーバスを狙うことが出来る。
あとはデイゲームでミノーを使ってジャークを決めれば大き目のシーバスを狙って釣る事が可能である。
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